豪雨・洪水対策について
台風シーズンに入ってから次々に日本に上陸しています。
6日には東日本に台風18号が上陸しましたが、被害はございませんでしょうか。
流山市では土砂災害の避難勧告が出て警戒していましたが、大きな被害が出ずにほっとしています。
さて、今回は洪水について書きます。
6日の台風18号では横浜市の24時間雨量は310㎜を記録しました。この数値は大変重い意味を持ちます。
流山市の洪水ハザードマップをご覧いただくと、これは1957(昭和22)年のカスリーン台風と同等の大雨が江戸川上流で降った場合に江戸川が決壊することを想定して作成したと書いてあります。このときの総雨量は318㎜です。200年に一度起こる確率と想定していますが、最近の異常気象下では横浜で24時間雨量が310㎜を記録しているので、どこで大雨が降るかによって明日江戸川が決壊してもおかしくない状況にあります。
御嶽山の水蒸気噴火では現在の観測技術をもってしても噴火を予想することはできませんでした。広島市の土砂災害は記憶に新しいところですが、行政からの避難勧告を待っていては自衛できないこともあります。
もし、江戸川上流で大雨が降る恐れがある場合、ホームページで江戸川河川事務所の野田観測所のテレメータ水位を注視しておいてください。
野田観測所の避難判断水位は8.60m、はん濫危険水位は8.90mです。水位が9.30mに達すると堤防を越えて流山市内に浸水してきます。実はその前に堤防が決壊する可能性があります。江戸川河川事務所によると新しい堤防は十分に強度があるが、昔に築造された基礎部分についての強度はわからないのでそこから崩壊する恐れがあるそうです。そのために堤防の最高高さ9.3mに達する前に決壊することもありうるそうです。
もし江戸川が決壊した場合、南流山地区では2m~5m未満、新川耕地では5mを超える浸水が起こります。現在噂されている新川耕地が開発され、建物が建てられるとすると、いくら盛り土による嵩上げをしても河川の氾濫によって大災害を起こす可能性は高いと思います。もともとの河川流域は氾濫を想定した土地利用が行われてきたので、それを甘く見て無理に開発をするとそのしっぺ返しは相当厳しいことになります。これまでに繰り返し経験した自然災害の教訓は活かされないことになります。明らかに開発許可を下ろした者の不作為の罪は免れないと思います。
防災は「想定外でした。ごめんなさい。」ではすみません。必ず厳しい犠牲が伴います。
尊いいのちの犠牲を無駄にすることは許されません。
●洪水ハザードマップ
http://bit.ly/1l1ijjo
● カスリーン台風災害から学ぶ教訓
http://bit.ly/1uCkWuw
●テレメータ水位 野田(のだ)
http://bit.ly/1t5dYx9