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2014/03/19 (Wed) 05:37
公開フォラム「伝統的木造住宅と省エネルギー」の感想

公開フォラム「伝統的木造住宅と省エネルギー」

3月15日に東大農学部一条ホールで、日本建築士会連合会、日本建築家協会、日本建築学会、東京建築士会、NPO法人木の建築フォラム主催の公開フォラム「伝統的木造住宅と省エネルギー」が開催されました。

改正省エネ法を受けて土壁木造がどうなるか、について報告とパネルディスカッションが行われました。
改正省エネ法を審議している学識経験者で現場に携わっている建築士はごく一部です。そのために、課題を認識し、危惧していても政策の方針転換をはかることは大変困難な状況です。
私はこれまでこの危惧をずっと『建築ジャーナル』誌上で訴えてきました。
コラム「建築と政治」http://www.kinokenchiku.biz/writing.htmlをご覧ください。

公開フォーラムでは最近建てられた土壁木造の22例の温熱調査の報告がありました。どちらも快適にしかもエネルギー消費量が少なく生活しているそうです。
しかし、このままではこれらの建物は2020年には建てることができなくなります。日本の伝統木造が建築できなくなります。

今回の公開フォラムを受けて私は以下の意見を主催者に提出しました。
ご参考ください。

1.今後の公開フォラムをポリシーフォラムとして開催してほしい。
ポリシーフォラム(政策フォラム)だと国会議員や担当部署の役人を招聘し、なんらかの政策に反映してもらう意図を持ちます。

2.今回のフォラムで政策に反映されると楽観してしまっているのではないか。
2020年の義務化に向けてすでに相当の税金を使って建築士、施工業者を対象に20万人、50万人を対象に講習会を開催して周知をはかっています。伝統木造シンパおよび学会会長が懸念を示しただけでは現在の流れを変えられるわけではないと思います。署名活動、国会議員へのロビー活動、メディアへの訴えなどすべての活動をしないと変えられないと認識した方がよいと思います。政策の変更には時間がありません。

3.どなたも改正省エネ法の「目的・目標」と「期待できる効果」に関心がない。
改正省エネ法が「地球温暖化防止」と「省エネルギー」と「建築やまち並みの質の向上」につながるのであれば大いに賛成します。しかし、改正省エネ法の関係者の誰一人としてこの目的を達成できるエビデンス(データ)を示せないと思います。20年以内に、一方で日本文化の破壊や雇用の消失を招きながら、目的の何一つ達成できないとしたら日本人の叡智や知恵はどうなっているのでしょうか。
改正省エネ法に関わる行政コスト、住宅建設の消費者にかかるコスト、「建築・住宅のあり方」の変更による損失に似合うだけの社会的利益はあるかを検証すべきです。

4.与えられたものを鵜呑みしているのではないか。
ノンエナジーベネフィットの「健康の向上」に関するエビデンスがありません。アンケート結果がもしエビデンスというのであればそれは科学的に正しいのでしょうか。医学上でアンケート結果がエビデンスとして認められるか聞いてみてください。他のエビデンスがありましたらお教えください。もし、科学的に間違ったエビデンスで政策を進めるのであればまったくミスリードであり、洗脳です。

5.鈴木氏のヨーロッパの地図と日本の地図を比較したものはあくまで国土の大きさを示すものでした。緯度のずれを説明していなかったので、日本はヨーロッパ並に高緯度に位置しているようにとられ、ミスリードになります。温熱環境をテーマにしているフォラムでは致命的なミスリードです。

6.権利の問題について
審議会で財産権とCO2の抑制について行政法の専門である櫻井氏は注意を促しています。それに対して回答はまったくないままに進んでいます。CO2削減が地球温暖化防止にどのように関係するのか、または改正省エネ法が寄与するのか検証できていないので、財産権を侵害するのは憲法上も問題です。

7.伝統木造について
今回は土壁伝統木造が対象でした。鈴木氏の懸念のように伝統的構法木造の定義が問題です。実際に建てられている伝統的構法木造が土壁以外だとしたら、土壁以外のものはすべて特例扱いにならないので窓の小さな建物にさせられる可能性が高くなります。

8.伝統的構法木造住宅の性能基準について
現行の住宅性能評価制度の評価基準では伝統的構法木造住宅を適切に評価できません。あらためて評価基準が必要です。

9.ヒートショックの防止について
ヒートショック防止について、入浴中急死についてH4年基準、H11年基準、H25年基準の比較データがありません。断熱性能と入浴中急死を関連づけるのであれば裏付けとなるエビデンスが必要です。すでに医学的に38℃の湯温による入浴法によって入浴中急死を防ぐことが可能であるとされています。入浴中急死の防止のために局所暖房と入浴法の改善の周知が先決です。

10.合意形成について
改正省エネ法によって「2020年までにH25年基準の義務化」が決定するまでに建築界での議論および合意形成がほとんど行われていません。日本建築学会会長、日本建築士会連合会会長が懸念を表明するのであれば、それぞれの団体内での合意形成がどうだったのかを検証して改善すべきです。


パネルディスカッション
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