15日に東京九段で「医療安全全国共同行動」2周年記念フォーラムが開催されました。http://partners.kyodokodo.jp/2010may15/
会場は満席状態でシンポジウムの様子を同時にインターネット配信していて全国で300以上のアクセスがあったようです。
米国では医療過誤などの本来の原因と違う理由で亡くなることを避ける努力がされています。日本でも救える命を救っていくために普段の院内の作法を変えていこうという動きが出てきています。それが「医療安全」の動きです。
基調講演「医療事故情報収集等事業から学ぶもの」野本亀久雄((財)日本医療機能評価機構 理事)では医療事故数の推移と防止策の成果が報告されました。
医療事故を防ぐためにはまず「ヒヤリハット」を含む医療事故の正確な報告が必要です。 共同行動始めた当初は賛同する医療施設は少なかったのですが段々参加施設が増えてきて、参加病院から報告される医療事故数は(財)日本医療機能評価機構から公表されています。患者の取り違い、薬剤の分量の間違い、違った種類の薬剤の誤飲を無くすための工夫が日々行われるようになり、成果が上がってきています。
もう一つの演題「人はだれでも間違える」河野龍太郎(自治医科大学医療安全学教授)では、原子力、航空の分野で培ってきた安全対策を医療の分野で活かすための多くのアイデアが疲労されました。
「安全な医療はない」という基本にたって対策をたてるべき。医療の現場は、忙しい、わかりにくい、類似、手順がない、記憶に頼る、を繰り返している。
人は物理的空間≠心理的空間のときに間違いやすい。ヒューマンエラーを考慮して、設計段階・運用段階で改善が求められている。1.安全はない 2.完全な人間はいない 3.協力してエラーと戦う、ことを原則として改善していきたい。
続いて、分科会のワークショップでは、私は「患者さん医療安全のパートナー」に参加しました。
この分科会では、周術期肺塞栓症防止、転倒・転落防止、機器の安全使用、お薬手帳の活用について話し合われました。
私のプレゼン時間は5分でしたが、参加者に確信をもって肺塞栓症防止にあたっていただけるように印象づけることができました。
医療側と患者側の連携についていくつかの提案をさせていただきました。
1.医療者に代わって患者会が病気の予防や基本的なインフォメーションを患者の立場で説明すること。
2.グリー・ケア・プログラムを病院内に導入すること。
3.宿泊できる待合室の設置すること。
4.医療事故無過失保障制度の問題点の指摘。
5.医療従事者、患者、製薬会社、行政と連携してドラッグ・ラグを解消すること。
6.患者会の活動の紹介と病院内での患者会の活用。
以上について提案させていただきました。
ワークショップを終えて、参加していたいた医師やパネラーの方から今後の協力について申し出がありましたので、今後連携して、「医療安全」の取り組みをしていきたいと思います。
「医療安全全国共同行動」は発足当初2年間の限定の活動の予定でしたが、参加者へのアンケートで今後も継続する方向になりました。今後は組織化、予算確保が課題になります。
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